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Isn't it good, knowing she would?

カテゴリー「┣本」の記事一覧

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池田晶子という文筆家

YouTubeで氏の動画をみて、おもしろい人だなーと思い、図書館で借りて読んだ。
文字通り、片っ端から読んだ。

帰ってきたソクラテス、考える人、暮らしの哲学、新考えるヒント、人生は愉快だ、正の科学・死の化学、睥睨するヘーゲル、目で見るものと心で見るもの、ロゴスにきけ

正の科学・死の化学」と「目で見るものと心で見るもの」はオムニバス
どっちか忘れたけど、片方は養老孟司との対談で
他の対談相手は養老氏と和気藹々とした雰囲気が読み取れるのに
池田氏のページだけはピリピリした雰囲気だったのが印象的

考える人」はオラクル西洋哲学史ということで
ヘーゲルから始まり、ライプニッツなんかもでてくる。
名だたる哲人たちをひとりずつ切り倒していく語り口が痛快。
その内容の理解しがたさに泣けてくるのも、これまた痛快(?

帰ってきたソクラテス」は「ソクラテスの弁明」の現代版
フェミニストや女性人権団体なんかとソクラテスが対談する。

他のは、だいたいエッセイ(?
睥睨するヘーゲル」と「ロゴスにきけ」がおもしろかった
身辺話は、この人に限らず「まあ、そんなものですよねー」程度。



ひととおり読んでから、動画を再びみてみたら
周りの人間のあびせる質問が、なんともなんとも!(なんとも

動画の中で時折
沈黙したり、笑ったり、一瞬で真顔になったり、言葉をさがしているのか、価値を見失っているのか、
文章と同じ人だなー、と思った。文章と同じ人?文章がテレビにでてる?言葉が池田氏をして言わしめている?(最期のは本の受け売り

テレビに文句言ってもしょうがないけど
池田さんにとって生きているとはなんでしょう?」って質問は
本を2冊でもよんでいたら、とても質問する気にはなれないと思う。
裸一貫でサイに体当たりを試みるようなもの
テレビに文句言ってもしょうがないし、きっとそういう番組なんだな。
出演者の本をいちいち読むほど暇じゃないんだろうな、実際に。現実的に。

死ぬっていうことは自分の肉体が無くなってこの世からいなくなることですよね?」って質問も
言わんとすることはわかるけど、言おうとしてる時点で・・・というか
むしろ、言おうとするその勇気がすばらしい!
死について一般論であろうと、氏の前で言及した勇気
それまさに、裸一貫でカバに体当たりを試みるようなもの

この人がもう新しい本を出さないというのは、少し物足りない。
ジョンのいるレッチリ」や、「志村のいるフジファブリック」等の新曲がもう聴けないのと似ている(ー_ー)!!

村上春樹が「もう新しい本は出さない」と言ったところで
こちらとしては充足してる(ー_ー)!!

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私の男//桜庭一樹

ネタバレ注意

先日読んだ「赤朽葉家の伝説」につづいて
桜庭一樹、第二弾。「私の男
川上未映子が芥川賞とったときに、隣で静かに直木賞を受賞した作品

2008年から1993年へと時代を遡るように物語はすすむ。
2008年に花は結婚し、1993年に花は被災する。
93年には北海道で震災があったらしい。(北海道南西沖地震
明日は東日本大震災から1周年だというのに・・・

赤朽葉家は読んだあとには、すべての謎が解けていたけど
この本はモヤモヤが残るばかり。

冷めた人物しか出てこないから
「そんなの普通じゃないよ!」って気持ちを叫んでくれる
のび太みたいな一般人が居てほしい。

・・・その結果、大塩さんは殺されたわけだけれど。

赤朽葉家の伝説//桜庭一樹

ネタバレ注意

桜庭一樹は数年前に直木賞を受賞した印象が少しあるくらい。
その時は、同時期に芥川賞を取った川上未映子のほうが目立ってて可哀そうだった。

川上未映子の本は2冊くらい読んだ気がするけど
桜庭一樹のこの本はその100倍、この先自分の心に残り続ける気がする。

最後の数ページで涙腺が大打撃を受けた。(決壊は免れた


鳥取の製鉄村が舞台
赤が基調とされているからか、どことなく「千と千尋の神隠し」っぽい雰囲気
湯婆婆みたいな御婆さんも登場する

なんというか
戦後~現代までが1冊の中に描かれているけど、最後までどこか古い感じがする

男は、時代によって強くも脆くもあり、やるせない気持ちをうまく発散できずにいて
対照的に女は、どの時代でも強い。一種の諦念が強さになってる

戦後からバブルまでを生きた万葉と毛毬はイキイキとしてるけど
平成生まれの瞳子は、うまく生きられてない
周りの大人の強制力がない、家族が家族でない(寮のような存在
なんとなく大学を出て、無職
男女が平等に扱われるようになり、必殺「諦念」もつかえない

一連してみると、ほんとに味気ない時代に生まれたもんだと
90年生まれは思うわけです


神々の山嶺//夢枕獏

ネタバレ注意

はじめての夢枕獏
上巻には「人を食ったような…」って表現が何回かあった気がするけど
其のペンネームこそ人(の夢)を食ったような名前でしょう、と。

異国情緒があってよかった(800円で一泊できる宿!
インド人の狡猾な振る舞いが良い

読み終えた日(2.29)が関東大雪(大雪?)
エベレスト登頂の場面は、わざと呼吸をゆっくりにして
苦しさを想像しながら読んでみたり

エベレストのベースキャンプと言われてもわからないから
↓のような動画をみて想像してみたり
(動画は5月だから雪ないけど、12月登頂だとベースキャンプにも雪が積もるらしい)


・人は誰しも何時でも、何かしら問題を抱えている
・1つ1つ問題を解決しなければ次に進めないのであれば、何もできない
・自分の中に問題が転がっていても、次にすべきことに着手せねばならない

みたいなことを言いたかったのだと思う。思う。
物語の中でも、深町は事あるごとに加代子に思いを巡らせて
自問自答し、悩み、そして結局なにも決着のつかないまま
次の行動を始める

悩むことから逃げるために山に登り
標高6500メートルのテントの中で悩む


犯人に告ぐ//雫井脩介

ネタバレ注意

「クローズド・ノート」の著者

テレビ局をつかって犯人と接触しようとする
「デス・ノート」みたいな本


「半落ち」を書いた横山秀夫も絶賛してるとか(参照



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