不夜城//馳周星

ネタバレ注意

ノワール小説というらしい

新宿歌舞伎町が舞台
中国マフィア同士の縄張り争い

先に読んだ「テロリストのパラソル」は日本のヤクザが出てきたけど
中身は比にならないくらい、おどろおどろしい

高校のときに読んだ重松清の「疾走」の読後感に似てる
この先ずっと心に残り続けていく本になりそう・・・

真保裕一の「ボーダーライン」には異国情緒は感じられなかったけど
逆にこの本は日本が舞台なのに、それに近しいものを感じた

テロリストのパラソル//藤原伊織

ネタバレ注意


江戸川乱歩賞と直木賞の受賞作
期待して読んだけど、あまり面白くなかった。

ケチつけるところじゃないと思うけど
時代が古い
インターネットが普及し始めたころの話で
回想シーンは学生運動（安保闘争？）
学生運動が絡む物語は好きじゃない
平成生まれには、当時の学生たちのエネルギーがギラギラした狂気にみえる

桑野の海外エピソードもやりすぎな感じで
しかも結局の動機は大学生時代から引きずってる男の嫉妬

動機って大事だと思った


「電気箱」って検索しても、なかなかそれらしきモノが見つからない・・・
とても気になる

ボーダーライン//真保裕一

ネタバレ注意

アメリカが舞台


まるで握手を交わすかのように殺人を犯す24歳の男
その息子を自分の手で殺めようとする父親
その父親を止めにかかる娘と探偵

上の人物は全員日本人
主人公は探偵、ハードボイルド（？）（ハードボイルドにしては軟弱

先日読んだ「ホワイトアウト」はドキドキ娯楽系の本だったけど（自分の解釈では
この本は明確な問いかけがある

・人間の悪の根源とは何か？
・人間は生まれながら犯罪者となれるのか？

最初はなんでアメリカなんかを舞台にするかなー、って思ったけど（カタカナ読みにくい
人間の育つ環境だとか、アメリカ人と日本人の気質の違いだとかを書くためだった（と思う

成人してからも子供の尻拭いをしたがる日本人の親
それに対し、アメリカの親は放任主義、自分の子どもがどこで何やっていようが構わない

日本の充実した教育環境
アメリカの人種差別、肌の色によって未来が決まるという社会的な宿命

なぜ犯罪者が生まれるのか
親のしつけに問題があるのか、教育現場か、先天的な何かか

序盤は回想やら主人公の身の回りのごたごたした設定の話でなかなか進まないけど
親父さんが渡米してくるあたりからすっきりしてくる

いろいろ考えさせられた

読み進めて作者の主張の核心に迫るほど、自分が何者なのかわからなくなるような
「お前はどうなんだ？」が頭の中をぐるぐるするような
そもそも読書ってそういうものなのかもしれない

「アー楽しかった」もいいけど
本を閉じてからも「むむむ・・・」ってなるような（？

インシテミル//米澤穂信

ネタバレ注意


暗鬼館ってドラえもんの暗記パンみたいだなー、って思って矢先に
文中でその件が書かれてて、心を見透かされたようだった。

十戒のうちの
「ワトスン役の知能は主人のそれよりも僅かに劣ることが望ましい」
が、ほとんどの場面で無視されてたのが、ずっと気になった。

▼読む前～途中
・変な表紙
・「そして誰もいなくなった」のぱくり？
・このお嬢様が黒幕に違いない

▼読んだ後
・続編アルノ！？


先に映画の予告編見ちゃったから
「リアル鬼ごっこ」程度の覚悟で読んでたけど
メモランダムの書き方とか、監獄でのやり取りとか、ラストの招待状とか
悪く言えばライトノベルっぽい感じもするけど、ちょっとしたユルさがいい

ざっとwikipedia見たら、インシテミル自体の続編はないみたい
いろいろシリーズものがあるらしい

そのうちメモランダムに出てきたミステリーを読破したい。(↓Amazon)




同日追記～
気になった文があって調べてみたら、やっぱり誤植だった
叙述トリック！？なんてことはなかった・・・
【ネタバレ】小説「インシテミル（07年８月第一刷・ハードカバー）」について。
Yahoo知恵袋

ホワイトアウト//真保裕一

ネタバレ注意


ダムを占拠するテロリスト（七名） vs ダムの職員（一名）


ダム職員は山で遭難した人を救うべく友人と救助に向かうが
友人は死に、遭難者2人は助かった。
皮肉なことに遭難者のうち1人は後のテロリスト…（もう片方も？

テロリストに死んだ友人の元婚約者を人質にとられ
ダム職員が無双モードに突入
亡くした友人との思い出を回想するたびにホイミ効果

映画では織田裕二を起用してるけど、きっとハンマー投げの室伏選手のほうが適任。

平成生まれの自分には、日本を舞台に銃撃戦っていうのがどうも絵空事にしか見えない

主人公が無敵すぎるけど（最後まで死にそうにない）
スリリングだし、無線と電話線のトリックとかもおもしろかった。

人間最後は体力がものをいう